TOEICを受験するにあたって、まず参考書を買いに行く人がほとんどだと思います。
せっかく参考書を買ったのに、「やったみたらレベルが高すぎる」「頑張ってやったのに点数が全然上がらない」といった失敗はしたくないですよね。
本記事では、TOEICを受験するにあたって初心者から700点くらいまでの人を対象に、おすすめの参考書を紹介していきます。
簡単に私の経歴を書いておくと、TOEICは7回の受験歴があり、715点を獲得しているので、おすすめ度の信頼性は高いと思います。
では、早速見ていきましょう。
目次
TOEICおすすめの参考書【初心者〜700点まで】

以下のように分類分けをして参考書を紹介していきます。
- リスニング対策:【L】
- リーディング対策:【R】
- 両方の対策:【L&R】
【L&R】出る単特急 金のフレーズ
TOEICで単語の勉強をしようと思ったら、初心者・上級者問わず「金のフレーズ」が絶対におすすめです。
何がすごいかというと、この参考書の筆者は合計80回以上もTOEICの受験をしていて、何十回も満点をとっています。
さらに、毎回受験する度に「どういった単語や表現がよく出てきたか」というのを分析されていて、その集大成がこの参考書になっています。
自分で80回受けようと思ったら8年かかるので、その経験値を1冊の参考書を勉強することで得られるのであれば確実に「買い」です。
実際に「金のフレーズ」で勉強した後にTOEICの受験をしてみて気がついたのですが、単語帳で勉強した単語が本当によく出てきます。
これをひと通り覚えておけば、あとは単語の勉強は不要と言ってもいいでしょう。
さらに、以下のようなレベルごとに章分けされているため、自分の実力に合わせて勉強することが可能です。
- 600点レベル 助走の400語
- 730点レベル 加速の300語
- 860点レベル 飛躍の200語
- 990点レベル 頂点の100語
最初は「単語帳の単語が難しくて全然わからない・・・」ということになりがちですが、レベル別に覚える単語が分かれているので、TOEIC初心者にも優しい参考書ですね。
- TOEIC初心者の場合 → 600点レベルのところだけ覚える
- すでに600点を超えている場合 → 600点レベルのところは軽く目を通す程度で、730点レベルのところを重点的に覚える
正直なところ単語を覚えない限りは、文法や長文を勉強しても非常に効率が悪いので、単語は徹底的に反復して覚えるようにしましょう。
また、「金のフレーズ」は音声データとしてもダウンロードすることが可能です。
音声で聴きながら発音してみると効果倍増です。
600点レベルの章を勉強するときを例に、おすすめの勉強法を紹介します。
【1周目】まずは600点レベルの章を1度丁寧に読む。このとき、発音がわからない場合は音声データで聴いて発音を覚える。
【2周目以降】赤いシートで答えを隠しながら答えを考える→答えをみる→間違えている場合は覚える という流れを「高速に」繰り返す
例えば「10分で10単語覚える」とした時に、以下のどちらが記憶に残りやすいと思いますか?
- 1単語1分のペースで1度ずつ見た
- 1単語10秒のペースで6度ずつ見た
時間があったら実際に試して欲しいのですが、圧倒的に「1単語10秒のペースで30分、6度ずつ見た」ときの方が、記憶に定着していることに気がつきます。
以下は初心者にやりがちな「1単語に時間をかけて覚える」例です。
2周目以降も1単語ずつじっくり見て、右に記載されている類義語や解説文も覚えようと努力する。
また、単語帳は2周したら十分と考える。
そうではなく、単語を覚える上での基本は「いかに単語を見る回数を増やせるか」にかかっているのです。
2周目以降は、1問あたり10秒以内に終わらせる。
また、単語帳は5周する。
【L&R】TOEIC公式問題集
TOEIC公式問題集を解かずに本試験を受けるのはあり得ません。
基本的に最新の問題集から順番に解いていくのが定石です。
TOEIC公式問題集を解くメリットはたくさんあります。
- 本番のテストと同じ会社が作成しているため、難易度にズレが出にくい
- リスニングの音声が本番と同じであるため、耳を慣らすことができる
- 同じ問題は出ないが、同じようなシーンは結構出てくる
ただし私の経験則として、初心者(500点未満の人)はまだ解かない方がいいと考えています。
というのも、私が500点未満のときは正直ほとんど適当にマークしていました。
つまり、ある程度の基礎が固まるまでは「問題を解く以前の話」だと思っています。
個人的には「ある程度基礎が固まった」というレベルが、500点を超えているかどうかだと考えています。
値段も高いので、500点を超えるまでは解かなくて大丈夫です。
最初の初心者の頃は「全パート総合対策」がおすすめです。
これをやっておけばTOEIC問題構成の全体像をつかむことができます。
【L】英語耳
みなさんは「正しく」英語の発音をすることができていますか?
- 「but」と「bat」
- 「rock」と「lock」
例えば上の2つについて、自信を持って発音できないようであれば、まだ発音の勉強が足りません。
中学や高校でも、「しつこく発音練習をした」という人は少ないと思います。
「英語耳」は、英語の発音方法がものすごく詳しく書いてある参考書です。
この本を勉強することで、単語帳に書いてある発音記号を見ただけで正しく発音できるようになります。
また、リスニングで音の聞き分けができるようになるので、非常におすすめです。
発音する時に舌をどのように動かしたら良いか、イラストを交えて解説されているのでとてもわかりやすいです。
模試をたくさん解くのもいいのですが、そもそも音が聞き取れないとリスニングの点数は上がりません。
まずはじめに発音の練習をしてからリスニングの問題を解くことに集中しましょう。
ちなみに「R」と「L」の発音は以下のように区別するとわかりやすいです。
R:小さな「ゥ」をつけて発音する
(例)rock → ゥロック
L:小さな「ん」をつけて発音する
(例)lock → ンロック
【R】世界一わかりやすい英文法の授業
今まで文法が嫌いだった人も、「世界一わかりやすい英文法の授業」を読むことで克服できると思います。
そういった人も「なるほど、そういうことだったのか」と腑に落ちる解説をしてくれる参考書です。
中学や高校の英語の教師が関正生さんだったら、英語が大好きになっていたかもしれませんね。
表現もわかりやすく、冗談まじりのところもあったりして初心者でも読みやすいです。
非常におすすめな参考書ですが、本書で学ぶことができるのはあくまでも「概念」や「イメージ」の話です。
TOEICの点数を上げるには、実際の文法問題が載っている参考書が別途必要になります。
【R】文法特急
「世界一わかりやすい英文法の授業」を読んだ後は「文法特急」をやっていきましょう。
文法問題のPart5を実戦形式で解くことができる本なのですが、初心者に必要な最低限の情報しか載っていないので、迷わず勉強を進めることができます。
中学や高校で「文法書」といえば分厚いものを買った記憶はありませんか?
文法書に限らず参考書が分厚いだけで、なんだかやる気まで無くしてしまいますよね。
「文法特急」は文庫本のサイズなので持ち運びも簡単で、本のタイトルの通り電車の1駅の間に1問解くことができます。
Part5の導入本としては無駄がなく、素晴らしい本だと思います。
【R】英文法集中講義
「文法特急」が終わった人は「英文法集中講義」をやっていきましょう。
「文法特急」が良書であることは間違い無いのですが、中学から高校までの文法を網羅できているわけではありません。
ひと通りの文法について、とてもわかりやすく解説をしているのが「英文法集中講義」です。
文法の解説と問題がセットになっていて解きやすく、こちらも文庫本サイズなので持ち運びも簡単です。
「世界一わかりやすい英文法の授業」「文法特急」「英文法集中講義」の3冊をやっておけば、600点は間違いなく突破できるレベルになります。
【R】文法問題 でる1000問
600点からさらにリーディングの力を上げていくためには、まず文法を徹底的に固めていく必要があります。
「でる1000問」はPart5の文法問題が1049問も載っている参考書です。
がむしゃらに、一心不乱に文法問題を解いていくための参考書です。
「でる1000問」をやるとPart5が反射的に解けるようになり、後半の時間に少しだけ余裕が出てくるようになります。(と言っても最後まで解き切るには800点くらいの実力が必要ですが)
解説も非常にわかりやすく、1問1問は時間がかかるわけではないので思ったよりも早く終わると思います。
文法書をひと通り読み終わってある程度理解できたら、この本で練習問題を解くことでリーディングの点数をさらに伸ばすことができます。
Part5に関してはある程度パターン化できるので、問題数をこなすことで「この問題はやったことあるかも」と思えるようになり、自然と正答率も上がってきます。
TOEICに近道はない

「TOEICを解くテクニック!」というタイトルで売られている参考書を見たことはありませんか?
確かにこういった参考書に書いてあることに間違いはないのですが、スコアアップは一時的です。
そのテクニックが使えない問題が出た途端に解けなくなってしまいます。
語学勉強に共通することかもしれませんが、英語力は一朝一夕で身につくものではありません。
いわばマラソンのように、長期的に毎日少しずつ勉強を続けていく必要があります。
ですが、プログラミングなどの専門知識とは違って、英語は誰でも理解して身につけることができます。
今回紹介した参考書を地道に勉強して、どんどんスコアアップを狙っていきましょう。