- 情報処理安全確保支援士に登録しようか迷っている
- 登録したら何が変わるのか知りたい
- これから勉強を始めるかどうかの参考にしたい
こういった人向けの記事です。
情報処理安全確保支援士についてネットで調べても、最近できた資格なのであまり情報がないんですよね。
IPAのサイトには良いことばかり書いていますが、実際に登録した人の口コミは載っていません。
私は情報処理安全確保支援士に「1期目」で登録していて、現在3期目に入っています。
実際に丸2年以上経験してみて感じた、メリットとデメリットを本音で語りました。
実際に登録した人が書いた濃い内容の記事は「検索しても出てこない」ので、かなり貴重で有益な情報である自信があります。
では、早速見ていきましょう。
目次
情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)とは

そもそも「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」とは一体何なのでしょうか。
この資格はもともと「情報セキュリティスペシャリスト」という名前で、2017年4月から名称が「情報処理安全確保支援士」に変更となりました。
それと同時に、資格に合格すると任意で「登録」ができるようになり、「登録」をするとIPAから提供されるオンライン講座や集合研修を年に1回受ける権利を得たりすることができます。
資格というのは「取ったらそれまで」というものが多い中で、「取ってからも継続的に学ぶことができる」ようにしたのが「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」です。
2019年4月1日現在で、18,329人の登録者がいます。
登録にかかる費用は?
登録にはお金がかかり、「登録手数料」と「登録免許税」を払う必要があります。
登録手数料 | 10,700円 |
---|---|
登録免許税 | 9,000円 |
最初の登録時に払えば、その後は再度払う必要はありません。
申し込みができるタイミングは?
実はいつでも登録ができるわけではありません。
年に2回しか登録のタイミングがないので、注意が必要です。
4月1日登録 | 申込期間:8月1日〜1月31日 |
---|---|
10月1日登録 | 申込期間:2月1日〜7月31日 |
合格して申し込む場合は、以下のような流れになります。
- 6月に合格発表があり、合格証が家に届く
- 7月31日に間に合うよう、急いで書類を揃えて郵送する
- 10月1日から情報処理安全確保支援士として登録される
講習って何をするの?
年に1度講習を受ける権利が得られるのが、一番大きな変化です。
わかりやすいように表にまとめました。
オンライン講習 | 集合研修 | 時間 | 費用 | |
---|---|---|---|---|
1年目 | あり | なし | 約6時間 | 2万円 |
2年目 | あり | なし | 約6時間 | 2万円 |
3年目 | あり | あり | 約6時間 ✕ 2 | 10万円 |
まず、毎年必ずオンライン講習の受講があります。
「e-learning」をやったことがある人はイメージが付くかと思いますが、オンライン講習は以下のような流れで進んでいきます。
- 講習のアナウンスのメールが来る
- オンラインでパワーポイントを読みながら知識を深める
- 各章で小テストがあり、満点を取れば次の章に進める
小テストは選択式の4択問題なのですが、正直難易度は「かなり高い」です。
私も同じように思っていましたが、毎回問題が変わるので以下のようなループに陥る可能性があります。
- 満点をとれず間違えた問題を復習する
- 再度小テストを受けても、同じ問題がほとんどないため解けない
- 1にもどる
私はこれで10回くらいはループしました。
情報処理試験の午前問題と同じくらいのレベルだと思っていたら、かなり高レベルな問題が揃っていてびっくりしました。
IPAも、かなり力を入れている教材なのでしょう。
目安としては6時間くらいのボリュームですが、私は3時間くらいで終わらせることができました。
難しいですが、そこまで内容は多くありません。
私は現在3期目で、1期目と2期目でそれぞれオンライン講習をしましたが、まだ集合研修の経験はありません。
今年がその年なので、受講をしたらブログの記事として書きたいと思います。
2019/7/1 追記
集合講習に行ってきた感想を以下の記事にまとめました。
もしよければ合わせてご覧ください。

登録した場合のメリットは?
メリットは以下の点だと考えています。
- 資格取得後も継続的に学ぶことができる
- 公式サイトに名前が載る
- 名刺等にロゴを載せることで権威性をアピールできる
セキュリティについては毎年新しい脅威が出てきたりするので、定期的に情報を仕入れておく必要がありますが、個人ではなかなかやらないですよね。
登録しておけば強制的に講習を受けることになるので、セキュリティに関する知識を最新に保つことができます。
また、登録者一覧として公式サイトに名前が掲載されるので、もしセキュリティを専門職としている人はそこから問い合わせなどが来るかもしれません。
情報処理安全確保支援士のロゴも作成されているので、名刺等に載せることで権威性をアピールすることができます。
登録した場合のデメリットは?
デメリットは以下の点だと考えています。
- とにかくお金がかかる
- 内容が払う金額の割に合わないと感じる
- 知名度が低い
費用としては登録時に約2万円、3年間で14万円かかりますが、登録した場合の大きな変化といえば講習があるかどうかくらいです。
時間に換算すると、3年で約24時間相当の講習で14万円です。
オンライン講習を2年間受講した感想としては、以下のことで代用できると思いました。
- IPAのホームページでセキュリティの記事を定期的に読む
- セキュリティに関することをネットで定期的に調べる
- セキュリティに関する本を買って読む
今は所属している会社が登録料を払ってくれているため登録していますが、もし会社を辞めたら確実に個人では登録しません。
また、情報処理安全確保支援士は知名度が低く、IT業界の人ですら知らない人も多いです。
これから知名度が上がっていくかもしれませんが、現時点ではとても低いので、「資格の権威性」はあまり無いように思います。
「弁護士」と聞くと「すごいな」と感じますが、聞いたことがない資格だと、すごいのかどうかの判断ができないですよね。
情報処理安全確保支援士は、現在そういった状態です。
結論:情報処理安全確保支援士に登録は不要

結論としては、登録する必要はありませんし、おすすめもしません。
そういった人のために、「登録すべき人」と「登録すべきではない人」を下にまとめておきますね。
- 「情報処理安全確保支援士の資格をもっている」という事実が欲しい人
- 会社が費用を負担してくれる人
- セキュリティが大好きな人
- 自分でセキュリティの勉強ができる人
- セキュリティが専門職ではない人
- なんとなくこの資格をとった人
ちなみに私はセキュリティには全く関係のない仕事なので、「なんとなくこの資格をとった人」に含まれます。
登録は不要ですが、セキュリティについて体系的に勉強するには良い資格ですよ。
この記事が、皆さんの「登録するかどうか」の判断に少しでも役に立てれば幸いです。