- 簿記に関して知識ゼロの初心者だけど大丈夫?
- 簿記3級に合格するにはどういうステップを踏んだらいいの?
- 参考書はどれを買ったらいいのかわからない!
こういった人向けの記事です。
「簿記に関してまったく知識がない初心者」という状態だと、なんとなく簿記ってハードルが高い感じがしますよね。
かつての私がまさにそうで、「うわ、数字ばっかりで難しそう」という印象でした。
実は簿記3級に関しては、「3つのステップ」を踏むだけで、より簡単に勉強を進めることができるようになります。
私が実際に使った参考書も合わせて紹介しているので、参考書選びに関しても困ることはありません。
ちなみに私は「簿記2級」を取得していますが、合格までは以下の流れでした。
- 簿記3級を受験 → 不合格
- 簿記2級を受験 → 不合格
- 簿記2級を再受験 → 合格
「簿記3級は持ってないけど簿記2級は持っている」という少し特殊なケースかと思いますが、簿記3級もわずか「3点足らず」の不合格だったので勉強方法としては参考になると思います。
では、早速見てきましょう。

目次
簿記3級の概要
受験者数 | 約10万人 |
---|---|
合格点 | 100点満点で70点以上 |
合格率 | 約40% |
試験日 | 6月(第2日曜)・11月(第2日曜)・2月(第3日曜) |
試験形式 | 記述式 |
試験時間 | 2時間 |
問題 | 配点 | 出題内容 |
---|---|---|
第1問 | 20点 | 仕訳問題 |
第2問 | 10点 | 帳簿記入問題 勘定記入問題 |
第3問 | 30点 | 試算表問題 |
第4問 | 10点 | 伝票会計問題 |
第5問 | 30点 | 精算表作成問題 財務諸表作成問題 |
60点で合格という資格が多い中、簿記は70点合格なので少し基準が高いです。
また、記述式問題なので適当に解いて運で正解するということもありません。
ただし相対評価ではなく絶対評価なので、他の人の点数は関係なく合格することができます。
簿記3級を攻略する3つのステップ

簿記3級に合格するための3つのステップは以下の通りです。
- 簿記とは何か?を理解する
- 参考書で勉強する
- 過去問題や模試を解く
それぞれ一つずつ見ていきます。
ステップ1:簿記とは何か?を理解する(2時間)
「そもそも簿記って何なのかよくわからない」と思っている人も多いのではないでしょうか。
まず「はじめての人の簿記入門塾」を読んで簿記についてざっくり理解をしておきましょう。
「簿記3級のテキストを買って勉強した方がいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、「まず全体像を把握する」というのは簿記に限らずとても重要なことです。
というのも、全体像を把握せずに勉強を始めてしまうと「今勉強している内容は後でどういったことに役立つのか」がわからなくなってしまうためです。
イラストも多く非常に読みやすいので、2時間もあれば読み終わると思います。
ステップ2:参考書で勉強する(20時間)
簿記とは何かが理解できたところで、次は簿記3級についての勉強を進めていきましょう。
簿記3級の勉強は、「スッキリわかる日商簿記3級」のテキストを使用しました。
ゴエモンとクロキチという、かわいいキャラクターが簿記についてわかりやすく解説をしてくれる参考書で、非常にわかりやすいです。
単なる解説本ではなく、ちゃんと問題もついているため学んだことをすぐアウトプットして確認できる点もいいです。
これはだいたい10時間くらいで1周できるボリュームで、私は20時間くらいかけて2回参考書を解きました。
1回だけではなかなか全部を理解できないので、2周するのがオススメです。
効率的に勉強する方法については「勉強効率を上げる5つの方法【今日から実践できます】」で紹介しているので合わせてご覧ください。
ステップ3:過去問題や模試を解く(20時間)
参考書ばかり何周もしていても実践力がつかないので、2周したら過去問題や模試を解くようにしましょう。
問題集は「スッキリとける過去+予想問題集」を使いました。
このテキストは、過去問題だけでなく次の試験に出ると予想される模試も合わせて付いているのでお得だと思います。
過去問題を数年分解いてみるとわかるのですが、前回や前々回に出題されたような内容はあまり出ておらず、何年も前に出題された問題と似たような問題が出ているように感じました。
なので、前回や前々回分の過去問を解いてもあまり有効とは言えないでしょう。
むしろ予想問題集を中心に解いた方が、次の試験で同じような問題に遭遇する確率が高くなると思います。
もちろん、時間があればどんどん過去問を解いていくことで自分の力にすることができます。
- 実践的な問題を解くときは、予想問題集から解くと良い
- 余裕があれば、過去問題を昔のものから解いていく
いきなり簿記2級の受験をするのってどうなの?

ときどきこういった質問を受けますが、結論から言うと「絶対に」簿記3級の受験勉強から始めるべきです。
その理由を以下に書いていきます。
簿記3級と簿記2級の違いって?
そもそも簿記3級と簿記2級の違いって何なのでしょうか?
違いを以下にまとめておきました。
試験科目 | 試験時間 | 合格基準 | |
---|---|---|---|
簿記3級 | 商業簿記 ・5題以内 |
120分 | 70%以上 |
簿記2級 | 商業簿記 工業簿記 (原価計算含む) 5題以内 |
120分 | 70%以上 |
「商業簿記」は、購買活動や販売活動など、企業外部との取引を記録・計算 する技能で、企業を取り巻く関係者(経営管理者・取引先・出資者等)に対し、適切、かつ正確な報告(決算書作成)を行うためのものです。
「工業簿記」は、企業内部での部門別や製品別の材料・燃料・人力などの資源の投入を記録・計算する技能で、経営管理に必須の知識です。
引用:https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping
これだけ読んでもさっぱりわからないですよね。
ざっくりまとめると、以下のような違いがあります。
- 簿記3級は、簡単な商業簿記(物を買ったり売ったりした時に会計上どういった仕訳が発生するか)を理解している必要がある
- 簿記2級は、簿記3級の商業簿記の範囲をさらに広げた内容に加え、工業簿記(商品を作った時に発生するコストを計算したり、それをもとに原価を計算したりすること)を理解している必要がある
- 簿記3級は、コンビニなどの小売店がどのように取引をしているのかがわかる
- 簿記2級は、会社や工場がどのように取引をしているのかがわかる
ここまで読んだ人の中には「なんだ、簿記3級を少し難しくしたのが簿記2級なら合格できそう」と思った人もいるかと思います。
ですが、簿記2級の壁は「ものすごい高い」です。
簿記2級の壁が「ものすごい高い」わけ
私の簿記の勉強時間ですが、だいたい以下の時間となっています。
簿記3級 | 約30時間 |
---|---|
簿記2級 | 約160時間 |
つまり、簿記2級の勉強時間は簿記3級の勉強時間の「約5倍」必要になります。
先ほど紹介したように、日本語で書くと簿記3級と簿記2級の違いはあまり無いように感じますが、実際に勉強してみると範囲がものすごく広くて1周するだけでも一苦労です。
さすがに最初から200時間コミットできる人はなかなかいないと思いますので、まずは簿記3級を目指すようにしましょう。
もちろん、実務で経理の仕事をやっている人はもっと少ない時間で合格できるはずです。
簿記2級はかなりの勉強時間が必要なので、まずは簿記3級の受験勉強から始めよう。
まとめ:簿記3級は初心者でも合格が可能

私はわずか3点足らずで簿記3級は不合格となってしまいましたが、そのときの勉強時間は約30時間でした。
ですので、勉強時間としては「40〜50時間」あれば合格最低ラインまで持っていけるはずです。
1日30分を2ヶ月続ければ合格できる計算ですね。
「家で勉強するのが苦手」「そもそも忙しくてあまり時間が取れない」という人は、「スマホで学べるスタディング」というオンライン資格講座で勉強をしてしまえば、家でじっくり勉強する時間も減らすことができます。
少し前までは家で勉強するのが当たり前だったのに、今では移動時間や隙間時間で少しずつ勉強するのが当たり前になっています。
「そもそも2ヶ月も資格勉強が続かない・・・」という人は「資格勉強が続かない?資格勉強のやり方のコツとは【簡単】」で勉強を続けるコツを紹介しているので参考にしてください。
簿記初心者がゼロから勉強した場合の時間ですので、実務経験者はもっと少ない時間で合格できると思います。
簿記3級に合格して会計の基本知識を身に付けたい人、続けて簿記2級もチャレンジしたい人など様々かと思いますが、この記事をきっかけに今日から勉強を始めてみましょう。
