- 思い込みをなくしたい
- 思い込みをなくすために、どうしたらいいかわからない
- 思い込みをなくす方法を知りたい
こういった人向けの記事です。
「思っていたことと実際は違った」という経験は一度はあると思います。
自分で思い込みをなくすために努力しても、なかなか改善できなかったり、どうしていいのかわからないこともありますよね。
これは本当に辛いことだと思います。
ですが実は、なぜ思い込みをしてしまうのかは心理学的に解明されていて、その理由を知ることで思い込みをなくす対策をすることができるんです。
本記事では、思い込みをなくすための対策法について解説しています。
では、早速見ていきましょう。
思い込みをなくすための「ある癖」とは

結論から先に言うと、思い込みをなくすための「ある癖」とは、「自分の頭で考える癖」です。
そう思った人も多いと思いますが、自分の頭で考えることがうまく出来ていないからこそ、思い込みをしてしまうんですよね。
そして面白いのが、人だけではなく「七面鳥」も思い込みをしてしまうという実験があるので、具体例を見ていきます。
思い込みに関する実験2つ
思い込みに関する1つ目の実験は、七面鳥も思い込みをしてしまうという面白い実験です。
■実験のシーン
本物の七面鳥とイタチの剥製を用意し、イタチの剥製をヒナだと思わせることができないか確認した。・1回目の実験
イタチの剥製をそのまま近づけた。・2回目の実験
イタチの剥製の中にテープレコーダーを仕込み、ヒナと同じ「ピーピー」という鳴き声を流して近づけた。■実験結果
イタチの剥製をそのまま近づけた場合は激しい攻撃を受けたが、鳴き声を流すとイタチの剥製を自分のヒナのように翼の下に抱き込んだ。
一目見ただけで「自分の子供ではない」とわかるイタチの剥製ですが、ヒナと同じ鳴き声を流すことで、イタチの剥製もヒナとして思い込みをしてしまうことがわかった実験でした。
これは「固定的行動パターン」と呼ばれていて、何かをきっかけに自動的に行動してしまうことをいいます。
■実験のシーン
図書館のコピー機の前にいる人に、先にコピーを取らせてもらえないかお願いした。・1回目の実験
「5枚だけなのですが、先にコピーを取らせてもらえませんか?」とお願いした。・2回目の実験
「5枚だけなのですが、先にコピーを取らせてもらえませんか?急いでいるので」とお願いした。■実験結果
そのままお願いした場合は譲ってくれた人は60%だったが、急いでいることを伝えると94%の人が譲ってくれた。
このように思う人もいるかもしれませんが、結論としては急いでいなくても譲ってもらえることがわかっています。
この実験の面白いところは、「急いでいるので」ではなく、「コピーを取らなければならないので」という当たり前の理由をつけた場合でも、93%の人が譲ってくれました。
つまり、コピーを取りたい理由は何でも構わないので、とにかく理由をつけてお願いすると相手に納得してもらいやすいです。
この例では、「〜ので」という理由をきっかけに自動的に悩みを聞いてしまったということになります。
これは仕事にも応用できるテクニックで、「この仕事お願いできませんか?」と伝えるよりも、「今別作業で手一杯なので」「〇〇さんにやってもらいたいので」のように理由をつけることで頼みを聞いてもらえやすくなるということです。
つまり、相手が何か理由をつけてお願いをしてきたときには、一度「自分の頭で考えてから」返事をすることが大切です。
「自分は思い込みをしていない」と思っていても、自分の気付かないところで思い込みをしていることがわかってきましたか?
次はほとんどの人が勘違いしている、「高いものが美味しい」という思い込みについて見ていきます。
高いものが美味しいという思い込み
- 4500円のワイン
- 500円のワイン
2つのどちらが美味しそうかと聞かれたら、ほとんどの人は「4500円のワイン」と答えるのではないでしょうか。
この答えを確認したものが次の実験です。
■実験のシーン
同じワインをそれぞれ違うワインと認識してもらうため「45ドル」「5ドル」と伝えてから飲んでもらった。■実験結果
45ドルのワインを飲んでいる時の方が、5ドルのワインを飲んでいるときよりも大きな喜びを感じ、脳もより活発な反応を示した。
これは何を意味するかというと、例えばコップを2つ買ったとします。
- 「100円ショップ」で買った100円のプラスチックコップ
- 「おしゃれ雑貨屋」で買った1500円のプラスチックコップ
仮にこの素材がまったく同じだったとしても、「1500円で買ったコップ」の方が満足感が高いと感じてしまうということです。
また、コーヒーを例にした方がわかりやすいかもしれません。
- 家で淹れる1杯50円のドリップコーヒー
- カフェで飲む1杯500円のコーヒー
確かにその通りなのですが、最近は安いものの質が上がってきていると感じます。
これはファッションにも言えることで、以前までは「高い服=質の良い服」という前提がありました。
しかし最近は「安くても質の良い服」というのもたくさん出てきています。
「安い=質が悪い」というのは完全に思い込みです。
この思い込みをなくすには、「安いけど本当に質が悪いものなのだろうか?」と自分で考えることが大切です。
クーポンが安いという思い込み
■実験のシーン
あるタイヤ会社が印刷ミスで「まったく得にならないクーポン」を印刷して発送した。■実験結果
「まったく得にならないクーポン」を使おうとした顧客の数は、正しく割引率が印刷されたクーポンを発送した時とほとんど変わりがなかった。
これも「固定的行動パターン」にもとづいた行動で、「クーポン=通常より割引して購入できる」と自動的に判断してしまっていると考えられます。
また、ソフトバンクの「SUPER FRIDAY」というサービスを知っていますか?
ソフトバンクのスマホユーザーが毎週金曜日にクーポンを受け取れるサービスのことで、「吉野家の牛丼が1杯無料」などがあります。
ニュースにもなっていましたが、この「1杯無料」というクーポンを使おうと吉野家に行列を作り、1時間待ちになっていたそうです。
これも「牛丼が1杯無料=お得」という思い込みにより「1時間」という時間を浪費してしまっている例です。
1杯無料クーポンを1時間待ちで使おうのであれば、空いている時にお金を払って食べたあとに節約した時間で勉強をした方が圧倒的に将来への投資になり、数百円以上の価値を得ることができると思います。
思い込みをなくすには、普段当たり前だと考えていることも「本当にそうだろうか?」と考えることが重要になります。
思い込みをなくすには考える癖をつけよう

私たちがつい何かをきっかけに自動的に行動してしまう「固定的行動パターン」をとってしまうのは、「その方が何も考えなくて済むから」と考える傾向があるためです。
私たちは「面倒なこと」を避け、ついつい楽な方に行動してしまう傾向があります。
しかし、考える時間やエネルギーを節約しすぎると表面的な部分しか見えなくなってしまうので、何でもすぐに決めつけてしまうのはやめましょう。
今後は結論を出す前にもう1ステップ考える癖をつけてみると、思い込みをなくす確率が高くなります。
安い服が売られているのを見つける
↓
悪いものと自動的に判断する
↓
「安いものは悪い」「高いものは良い」という考えから抜けられない
安い服が売られているのを見つける
↓
「素材は何を使っているんだろう?」「安さの理由は何だろう?」など結論を出す前にもう1ステップ考えてみる
↓
「安いものでも良いものがある」「高いものでも悪いものがある」という新しい発見が出てくる
思い込みをなくす方法をぜひ実践してみてください。
